【自分の行動は自分で規定している】 そう思っていた。この本を読むまでは‥

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自分の行動、思考、感情、性格が、とても小さな生物によって操られているとしたら、あなたは信じることが出来るだろうか?
寄生生物に感染した動物は気分や性格、振る舞いを変えてしまうらしい‥
冒頭から恐怖と好奇心を刺激され、そのカラクリに迫っていく

寄生生物のトキソプラズマに感染したラットは、捕食者であるはずの猫の尿に惹かれ、自ら危険に晒してしまう
人間はそのトキソプラズマに感染すると無害でいられるのか⁇

トキソプラズマに感染した人は猫の尿の臭いが好きになり、注意力が低下し、交通事故に会う可能性は2.7倍になる
また、気分や性格まで影響し、実直さが薄れ、より外交的になるという

他の寄生生物が感染した場合はどうなるのか?

インフルエンザウイルス、猫や犬に住みついている回虫、狂犬病、腸内細菌などが人間に与える影響について事細かに書かれている

あなたのその習慣、その選択、その性格、その振る舞い‥全て本物なのか?
この本を読めば全てに疑問を持つだろう

この一冊で、誰もが健康を実践できる

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老化‥
誰もが、どこかで意識しているであろう用語。
その【老化】に深く関わっているもの、それがテロメアである。
本書はノーベル医学生理学賞受賞者、健康心理学者がタッグを組み、【老化】の元凶の一つ、テロメアの角度から健康を紐解いている。

内容は科学的知見から実践法まで400ページに渡るボリュームである。出典は30ページ。
面白かったトピックは
テロメアとは何なのか⁇
テロメアを補う酵素テロメラーゼとは?
テロメアと食事、運動、睡眠、ストレスとの関係
テロメアと社会的環境

章ごとに要点をまとめており、復習しやすく、理解しやすい。
硬い本に見えるも、専門的な用語はできるだけ排除しているため、医学的知識がなくても楽しみながら読み進めることが出来る。

往々にして体に良い食事・運動・睡眠、行動の習慣化、ストレスの対処法などについての本が世に出ているが、そんな本はいらないくらいだ。
食事、運動、ストレス、睡眠、習慣化のエッセンスがこの一冊に凝縮されている。

本書を読めば周りの誰よりも、より若々しく生きることが出来るのかもしれない。
見た目も細胞も‥

今すぐ誰かに話したくなる一冊

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やはりこの人の本は面白い。
前著の「快感回路」と同様、多少専門的だが、1ページごとに興味を惹かれる。
250ページというボリュームなのに、飽きる暇なんか与えさせてくれない。
まるで少年のように目を輝かせ、ワクワクしながらページを捲っている自分がいた。
主なトピックは
・皮膚にある受容器について
・その受容器がどんな働きをしているのか
・人が心地よいと感じる(愛撫)センサーとは?
・痛みの仕組み
・痒みの仕組み

一番印象に残っているのは
「ネガティブな感情は痛みにより引き起こされた前帯状皮質の活動を強め、痛みの度合いではなく、痛みの不快さの評価を高める」という点だ。
ネガティブな感情が痛みの不快さを高め、その痛みが不安を増大させ、痛みの不快さを高めてしまうという悪循環が起してしまう。

わたしは自他共に認めるネガティブだ。
このネガティブが痛みの不快さを高めてしまっていることに驚愕し、この本を読んでネガテイブを卒業することをひそかに決意した。

またいつか、読み返したい一冊

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全体的に硬めの文体で書かれているので、読みやすさに欠ける。

イラストが多いためイメージはしやすいが、専門用語が多く、読み解くのに時間が掛かる。
マイクロバイオームについて初学者が学ぶのに、この本はオススメしない。
わたしのような初学者には、ジャスティン・ソネンバーグの「腸科学」の方が読みやすく、理解しやすい。そして尚且つ実用的だ。
第1章では微生物やゲノムについて60ページに渡って書かれているが、難しすぎて何度この本を放り投げてしまっただろう。
巻末に用語集が8ページあり解説があるも、これもまた理解が難しい。
ここまで酷評したが、ゲノムや微生物について、より深く学ぶのには本書が最適であろう。

ある程度の知識を有する方ならば、この本の面白さが分かるのだろうな‥
いつか、この本をさらっと読めるような人間に、わたしはなりたい。

本書は私に健康を維持していく上で重要な視点を一つ与えてくれた。

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わたしたちの体を取り巻く微生物の集団をマイクロバイオータといわれ、固有のゲノムを持っている。
本書ではマイクロバイオータについて現在の研究で明らかになっている事を多少の専門性が必要かもしれないが、丁寧に書かれており、読み応えがある一冊である。
面白かったトピックは
・マイクロバイオータとは何なのか⁇
・マイクロバイオータが生活習慣病や自己免疫疾患などに関係している⁇
・痩せたマウスのマイクロバイオータを移植すると肥満マウスは痩せる⁈
・粉ミルクと母乳保育の違いがマイクロバイオータに与える影響とは⁇
・帝王切開・経膣分娩の違い
・衛生仮説とマイクロバイオータの関係
抗生物質がマイクロバイオータに与える影響とは?
・ペットのいる家庭で育った子供はアレルギーから守られる⁈
・現代のような極端に清潔な暮らしが招く弊害とは?
・プロバイオティクスの有用性

腸内のマイクロバイオータを左右する最大の要因は食事であり、巻末には30ページに渡ってレシピが記載されてあるので、本を読んだ後すぐに実行できるのも本書の良い点である。
子供の健康を願う新生児の両親やもうすぐ赤ちゃんが生まれる方だけではなく、ビジネスワーカーや、高齢者の方など幅広い年代の方々に読んで頂きたい。
なぜならマイクロバイオータは可塑性で、今から始めても遅すぎるということは決してないのだから‥